Gyu場つなぎブログ【けいこ編応答】振り返りとは

こんにちは,牛島です。

新学期の開始延期が決まり,新たなゼミ選考の日程についても商ゼミから発表があったようですね。牛島ゼミのES提出,選考についての詳細はただいま調整中です。2年生の皆さんに準備してもらう内容は以前と変わりません。世の中の雰囲気とも相まって何だか慌ただしい気持ちになりがちですが,とりあえず落ち着いて待っていて頂ければと思います。

さて,19期場つなぎブログ4人目のテーマは「とある木曜日の過ごし方」でした。

彼女がゼミに入った当初,ゼミ3年は私が担当する月2の産業史(2020年度は開講しません)が必修だったのですが,彼女だけ履修名簿に見当たらず問い詰めたところ,「1限に日吉で中国… 語が… 」とうつむき加減に告白した時の様子が強く印象に残っています。

あああそれは仕方ないですね。中国語再履じゃあね。

よくある反省会
前々回のブログで,ゼミの活動では,自分がやっていることは何なのかを振り返り,意味を考えながら次に進むべき道を見極めていくことが不可欠だと書きました。
けいこ編にもトガプロの利賀村訪問の振り返りが紹介されています。

何かの取り組みが終わった後に「反省会」をやったことのある人は多いでしょう。
典型的な反省会は,上手くいかなかった責任を引き取って順番に反省し,一巡したところで適当なまとめが行われてそれでおしまい。さて飲みに行きますか,というパターンです。

事実上,終わりの挨拶を回しているのとあまり変わらない感じです。何かを学んだ雰囲気を作って終わることが目的で,次に何かをつなげていくという点ではほとんど実のない場だったりします。


(これは単なる三田論班打ち上げの写真。北千住の飲み屋で傍にいた親切なおじさんが撮ってくれた。)

もう少しまともな反省会の場合は,問題点の指摘・分析が行われて,改善案が検討されるでしょう。経験を次に活かそうという姿勢があるわけです。

ただし,「反省」する,つまり悪かったところを改善することだけが強く意識され,良かったところをさらに伸ばすという視点が欠如しがちです。言い方を変えると,あるチームに強みと弱み,上手くいった点と失敗した点があるとして,強みや上手くいったところは無視して,弱みや失敗の改善だけが議論されているということになります。

この場合,改善案は次に活かされるかもしれませんが,弱みや失敗を修正することだけに意識が持っていかれると,本来持っていた強みとか魅力,何があっても貫き通すべき理念みたいなものが置き去りにされることがあります。

反省会と振り返りの違い
あえて「振り返り」ということばを使うのは,こういうタイプの「反省会」との違いを意識してもらうためです。

ゼミは2年間しかありません。ある一つのテーマでプロジェクトに取り組み始めたとして,1年経てば半分のメンバーが入れ替わり,2年後には全員いなくなってしまいます。たいていの場合,一年間同じペースで活動できるわけでもないので,実際はもっと短い期間になることの方が多いでしょう。
それゆえに,何かを最後までやり遂げるためには,短期間で取り組みの質を上げていくことが求められますし,次に入ってくる人に経験をどうつないでいくのかが大きな課題になります。

また,個人単位でみても,成功であれ失敗であり,最後までやり遂げた上で結果を評価する機会がなければ,本来得られるべき学びが得られないということが生じます。限られた期間の中ですから,成功だったとか失敗だったとか言えるところまで到達するのも一苦労なわけです。


(三田論中間報告後,4年生元三田論班からフィードバックを受ける。先輩や同期のフィードバックも振り返りの重要な素材になります。)

ですので,最初から何年もかかりそうな壮大な内容に取り組むのではなく,大きな問題意識を持ちつつも小さなトライを積み上げること,そして一回のトライから得られる経験をできるだけ搾り取ることが大切です。

そのためにも振り返りをしっかり進めるための方法論が必要なので,ゼミで基本として採り入れているのが,けいこ編に登場するKPTという方法です。

反省会がProblem(問題点)のみに注目しがちなのに対して,あえて最初にKeep(良かったので続けるべきこと)を持ってくるというのがミソですね。そして,KとP両方に目配りをした上で,Try(次にトライしてみること)を考えるという手順になります。

シンプルであるがゆえに誰でもすぐに使えますが,どこまで深く分析できるかはメンバー次第です。詳しく知りたい人は,KPT,The Keep/Try Reflectionで検索してみてください。

トガプロのKPTがどんな内容だったか確認したくなりました。議事録が共有されているはずなので探してみます。