18期振り返りブログ【おっちー編】「なにもしない人」がタイトルコールをするまで

さて。振り返りブログ、はじめます。

 

書き出しがあまりにも思いつかなかったので、とりあえずタイトルコールをしてみました。

ここだけの話ですが、実は、困った時はタイトルコールを入れると、とりあえず始めることができます。よかったら覚えておいてください。そして皆さんも日常生活で困った時はぜひタイトルコールを入れてみてください。問答無用で始まります。

僕はなにを言っているのでしょうか。諦めずもう少しだけ読んでください。

はじめまして。牛島利明研究会18期のおっちーです。

ゼミでは、

・ディベート

・unispoプロジェクト

・いきかたずかんプロジェクト

・入ゼミ冊子作成・トークイベント運営チーム(今年は「極彩」という名前でした)

で活動しました。そんな人です。

 

さて、これは今わかったことなのですが「振り返りブログ、はじめます。」と冒頭で言ったせいで、逆に入り方が難しくなりました。まさかこんなことになるとは。

ここだけの話ですが、実は勢いでタイトルコールをすると逆にその後が続けづらくなることもあります。よかったら覚えておいてください。

タイトルコールの魔力もわかったところで、そろそろちゃんとゼミ生活を振り返ります。

振り返るって面白い言葉ですよね。くるっと後ろを向く動作を指す言葉だけど、過去を思い返すときにも使います。まるで、自分が歩いてきた人生が一直線にずっと続いていて、後ろを向くと今まで来た道が遠くの方まで見える、そんなイメージでしょうか。

そんなことを考えながら今ちょうど自分の来た道を眺めているんですが、いやあ、この2年間いろいろなことがあったなあとしみじみしてしまいますね。さらにもう少し目を凝らすと、その向こうには、ゼミに入る前の風景も見えます。

 

2年生までの僕は「なにもしない人」でした。起きて、授業に出て、バイトして、帰る。これだけの毎日。サークルには入っていなかったし、バイトにも心血を注いでいたわけではありませんでした。

それはなぜか。行動するのが怖かったんです。新しい人間関係を作ることも、なにか新しいことを始めてみることも。だって失敗するかもしれないから。嫌じゃないですか、えいって一歩踏み出したのに失敗するなんて。一歩踏み出したその先は落とし穴かもしれない。そんな「失敗」というリスクが当時の僕にはとてもとても大きく見えていたんです。

そんな僕の目に、説明会で出会う牛島ゼミの先輩はとても魅力的に映りました。「こういうことを今はやっていて、こんなおもしろさがあってね」と熱を込めて話してくださる先輩たちは、輝いて見えたんです。

なにかしなくちゃ。そんな渇望を抱えて、僕は牛島ゼミに入りました。

(最初のゼミで撮った集合写真。若い。)

まず入って驚いたこと。それは「やってみる」チャンスの多さです。ディベートにしても、ソーシャルプロジェクトにしても、大小さまざまなチャンスが転がっています。チャンスで地面が見えないぐらい。

いくらでも「やってみる」ことができる環境。2年生まで何もしていなかった僕は、気づいたときには転がってくるチャンスをたくさん拾っていました。

ゼミでやってみた中で特に印象に残っているのは、プロジェクトでイベントを開催したときのことです。

僕は「年齢、性別、国籍、障がいの有無にかかわらず誰もが楽しめる場をスポーツで生み出す」をテーマとしたunispoプロジェクトに所属していました。4年生になって今後の方針を決めるにあたって、先生から「なにか興味あることないですか?」と聞かれました。

「ウォーキングサッカーですね」と僕は答えました。ウォーキングサッカーとは、簡単に言えば「走らないサッカー」です。走らない分誰もが楽しめるということで、最近注目を集めています。その特集をテレビで見ていた僕は、視覚障がいの方と一緒にプレーできたらおもしろいのでは、となんとなく思っていたのです。

「じゃあやってみたらいいんじゃないですか」そう言って先生はおもむろにスマホを取り出すと「そういえばウォーキングサッカー愛好者のFacebookグループに入ってるので、招待しておきますよ」と付け加えました。「もう先にグループ入ってるのか…!」と驚きましたが、よくあることです。先生は恐ろしく顔が広いので、ゼミ員が興味を持つところにはだいたい既に何かしら関係があります。一周回って最先端で待っている人です。

そんなきっかけから何気なくウォーキングサッカーの体験会に行ってみると、これがとても楽しいんです。本当に年齢や性別を問わずに参加者が楽しんでいる様子を見て「これはいける」と思いました。

最初は自分が楽しみながら愛好者の皆様との関係づくりから始めて、イベントの方式を考え、告知をして、参加者を募集して…、と進めていきました。大変なこともありましたが、様々な方のご協力をいただきながら、視覚に障がいがある方とない方が一緒にウォーキングサッカーを楽しむイベントを9月に開催しました。

従来は、アイマスクをつけてブラインドサッカーをすることでしか一緒にサッカーを楽しめなかった両者が、共にウォーキングサッカーを楽しむ。4月に想像で描いていた絵が実際に描けた瞬間でした。

なにもしていなかった自分にとって、苦労しつつこのイベントを成し遂げられたことは確かな自信となりました。なにより、サッカーを皆さんが楽しんでいる姿を見ることができたのが、とても嬉しかったです。

このように「やってみる」を繰り返すうち、なにかをすることを恐れていた僕は、次第に「やってみる」を楽しめるようになりました。

おもしろいことに、やってみる中で「自分」に対する理解も自然と深まりました。なにかをやると、自分の適性がわかってくるんです。

たとえば僕でいえば、なにかを発信するのが好きだな、とか、でも発信する内容にこだわりすぎて時間がかかってしまうな、とか。リーダーだと思っていたけど実はマネジメント的なことは考えずにアイデアを自由に出す方が心が躍るな、とか。

いろいろやってみたことで、自分の向き不向き・好き嫌いが自然とわかるようになってきました。ゼミに入る前と今では、自分に対する「解像度」みたいなものが全然違います。ゼミに入る前は240pぐらいでしたが、今は720pぐらいはあるんじゃないかな。だいぶ高画質です。はやく4Kになりたい。

解像度が上がれば上がるほど、自分が思った以上になにもできないことに気づきました。ゼミに入る前は根拠のない自信があったのですが、自分は本当に無力でした。ゼミ内外の優秀な人と比べて、落ち込むこともありました。

それでも、根拠もなくたくさんの過信を持っていた2年生の頃よりも、量は減ったけど根拠のあるほんの少しの確信を持って、無力な自分を受け入れた上で、仲間に助けてもらいながらがんばれる今の方がずっと幸せです。

(いきかたずかん初イベント「いきかたろーぐ」)

なにより「やってみる」って、とっても楽しいんです。ほんとに。大変なこともあるけど、自分が思い描いていたことが実現して、誰かの心が動く瞬間を見たときの喜びは何にも代えがたいものです。

失敗を気にしてなにもしないより、行動を起こしてなにかした方が絶対に楽しい。そう気づけたことが、これから生きていくにあたって1番幸せなことかもしれません。

 

せっかくなので、なにかをするにあたってゼミで学んだことを1つ書き残しておきます。

それは、自分の「おもしろい」を大切にすること。

なにかやりたいという気持ちがあっても「これやって何の意味があるんだろう」と思いとどまってしまうこともあります。それでも「こういうことができたらおもしろいな」「こういう景色が見られたら幸せだろうな」とワクワクできるのであれば、自分の「おもしろい」という感覚に正直に、とりあえず動いてみるといい。2年生のころの僕には信じてもらえないかもしれませんが、ほんとです。

ありがたいことに、牛島ゼミには誰かがアイデアを出したらまずおもしろがってくれる雰囲気があります。そこが好きです。だからこそ、人としてみんなおもしろい。自分にないもの、尊敬できるところをたくさん持っている先輩、同期、後輩と出会えたことも幸せでした。

もう一つだけ言いたいことがあるので、あと少しお付き合いください。ゼミ選びについてです。

きっとこれを読んでくれている人の多くは、ゼミを考えている2年生の皆さんだと思います。皆さんはどんな要素でゼミを選んでいますか?

就活を見据えて、専門的な知識やスキルが身につくところが良いなあ、と考えている人もいるのではないでしょうか。僕も2年生の頃は漠然とそう考えていました。でも、せっかくの残り2年の大学生活。視野を広げることもとても意味のあることなのではないか、と今の僕は思います。

牛島ゼミには「やってみる」チャンスだけではなく「未知に触れる」チャンスもたくさんあります。ふと手を伸ばせば、人口500人の村で暮らす人々と会うことができます。障がいのある方と一緒にスポーツを楽しむこともできます。社会をより幸せにするために働くさまざまな方とお話することもできます。

ゼミを通じて出会った人は、みんなただ生きていたら出会えなかった人たちです。こうした人たちに社会に出る前に出会えたことは本当に貴重でした。未知に触れるたび、考え方も見える世界も大きく広がっていきました。

かといって専門知識が身につかないわけではありません。いろいろなことをやっていくうちに、自然と吸収していきます。僕も自分たちの活動をもっと発信したいと思い、伝え方を知るためにマーケティングの本を手にとりました。理由がある学びの方がより能動的になれる、そんな感覚があります。

ゼミに入る前は、いろいろな場所に行って、人と会うことがこんなにも世界を広げてくれるとは想像していませんでした。僕たちの周りにはいろいろな世界があります。ぜひまだ知らない世界に牛島ゼミで出会ってみてください。楽しいですよ。

(利賀村のお気に入りの風景。空が本当に広いんです。)

牛島ゼミには、自分が望めば、やってみるチャンスも視野を広げるチャンスもたくさんあります。0から何かを始めたり人と出会ったりするのは大変なことですが、ここには20年かけて蓄積された「きっかけ」がたくさん転がっています。そのきっかけのどれを拾って、どう使うかによって、ゼミ生活は変わります。

18期の振り返りブログを読んでも、1人1人がそれぞれの取り組み方で、似たようで違うことを考えながら進んできたことがわかると思います。

きっかけは日常にあふれていて、その中でどんな2年間を生きるかを自分で選べることが、牛島ゼミのおもしろさです。ぜひあなただけのゼミ生活をデザインしてみてください。きっと充実した2年間になりますよ。

2年後、自分の来た道を振り返ったとき、どんな景色が見えるでしょうか。自分で踏みしめてきた道だという確かな実感を胸に「楽しかったなあ!」と思いながら眺められるゼミ生活になることを祈っています。

そして振り返った暁には、ぜひその足跡を後輩のためにブログとして残してあげてください。

ブログを書くとき、どうしても書き出しに迷うことがあるかもしれません。そんなときは「さて。振り返りブログ、はじめます」というタイトルコールから入ってみてください。大丈夫です。きっとはじまります。その先に続け方が分からなくなる悲劇が待っているかもしれませんが、そんなに悪いものでもありません。なにもしないではじまらないよりは、ずっといいです。

最後までなにを言っているのでしょうか。

以上、振り返りブログでした。読んでいただきありがとうございました。

 

さて。社会人、はじめます。