18期振り返りブログ【あゆむ編】 「今までの自分の考えって本当に正しい?」(後編)

前編からの続きです)

「自分たちの存在価値を問い直す」トガプロ
トガプロは、入る前と入った後で大きく活動のイメージや取り組み方に変化を与えました。それは ③「〇〇したい!/××したくない!」から「〇〇をする/××を克服するためにはどうすれば良いか?」 に思考が変わった2年間でした。


(写真:トガプロに所属する直前の2018年4月に武蔵野市で行われた「桜まつり」での様子。所属する前は一つ一つのイベントに参加する重要性を分かっていなかった。)

トガプロに入った当初、”自分が関わる事で利賀村にプラスの影響を与えたい”と漠然と行動を進めようとしていました。しかし実際に行動を起こしてみると、「自分たちの行動は村にとってプラスか?」と行動の意味を考えたり、メディアでの発信においても「それは伝えたい人に伝わっているのか?」と、ただ行動を起こすだけでは不十分であり、プロジェクトで課題や目標を設定し、行動を起こしていく難しさを知らされました。

特に代替わりをして4年生になってからが顕著でした。最初のうちは同期が3人と少ない中で、先輩のようにリーダーシップを発揮できない状況に悩みました。またトガプロとしての年間の個々の活動と最終的な目的や目標を決めるのにも難航し、右往左往する日々でした。

その状況で、改善するために取り組んだことは「根拠を持って意見を発信し、挑戦を続けること」でした。4年生になった最初は自分の考えた意見に自信が持てず、周りの同意を求めることが多くありました。今までの組織では「既存の土台がある中で、どう企画するか?」という取り組み方だったため、ゼロベースで考えるのは想像以上に難しく、やり方の模索で苦戦していたのです。しかし、その方法で会議が盛り上がらない悪循環に気付いてから、自分のやりたいことを発信し、”たたき台”として意見を出していく事が重要だと気付いたのです。

そして自身の行動を改善させた結果の最たる活動が、つい先日の2月16日に行った鎌倉での「人口500人の村の『いま』展」です。自分が企画の全体を統括するという不慣れな場面で、自分の意見を根拠を持って”たたき台”とし、なるべくメンバーの意見が汲み取れるように意識して当日まで駆け抜けました。来場して下さった沢山のお客さんに利賀村の魅力を伝えることが出来て、最後までやり切った達成感を感じることが出来ました。



(写真:先日2020年2月16日に鎌倉で開催した、人口500人の村の「いま」展。コンセプトを考えたり、場所決めに難航しながらも試行錯誤し、最終的に伝えたいものを形にできた。)

サークルやアルバイトなどの活動で得られなかったもの
「状況や発揮できる強みが違うチャンスが多くあり、1つの活動をフィードバックして次に活かせることで、常にいまを考えながら行動する習慣が身についた」ことだと思っています。

サークルやアルバイトでは、特定のコミュニティの中で関係を深めていく関わり方をしていました。その状況では自分の役割や発揮する力はある程度限られていました。また、そもそも組織への関わり方も保守的でした。あくまで自分の例ですが、サークルは歌が上手く歌えるから合唱サークル、アルバイトでも大学受験で英語・社会が得意だから塾講師といったように、今までの選択は”過去の経験”に縛られたものでした。つまり「過去の経験と照らし合わせて出来ないと思った事は出来ない」と考えていたのが2年生の自分でした。

一方で、ゼミでは三田論とトガプロ、入ゼミと1つのゼミでメンバーも活動内容も違う環境となり、その度に新鮮な気持ちで取り組めました。そして自分にとってモチベーションが上がる時と実力を発揮できない時を掴むことができ、実力を発揮できない時にも次はどうすれば良いかを振り返って次に繋げることが出来たのです。それに伴って自分の行動も過去の出来る出来ないで制限せず、将来の可能性を見込むようになりました。

入ゼミ活動の表面には現れてこないプロセスの泥臭さ
牛島ゼミは、目に見える部分と目に見えない部分の差がハッキリとしていると活動を通じて感じます。そして、その「見えない部分の泥臭さ」が牛島ゼミの醍醐味であり、成長ポイントだと思います。華やかな部分を切り取れば、ディベートでは”渋沢杯”、三田論では”三田祭”、ソーシャルプロジェクトでは”企画やイベント”といったようなアウトプットとしての結果が注目されがちです。しかし、そこに至る経緯で何度も会議で壁にぶつかっては軌道修正をするという繰り返しが、実際に何十倍も大変な作業でした。

特に三田論ではテーマを決定するだけでも2ヵ月を要し、その間に何度も論を立てては棄却するという状況でした。そんな難しい壁にぶつかりましたが、結果として代官山のテーマに決まってからの追い込みは凄まじく、またテーマが決定するまでに培った知識や経験が活かされて、紆余曲折を経て良かったと感じています。新しいものを生み出すのは一筋縄に行かない一方で、試行錯誤したからこそ産まれた結果に充実感を感じる機会はゼミを入って初めて学んだ経験でした。

ゼミの在り方
これまで話したことのまとめでもありますが、自分は牛島ゼミを「自分の弱さに気付き、自分らしさを見つける場」「今までの『常識』や価値観を塗り替える場」だと考えています。牛島ゼミでは知識そのもの以上に、知識を身につけるプロセスや未知の課題への取り組み方を身につける場として機能しました。そして、”限界集落”や”商店街”に深く密着することで新たな価値観を受け入れ、他では得られない力を醸成することが出来ました。

最後になりますが、自分が最後まで充実したゼミ活動を送れたのは、紛れもなく2年間の中で過ごした同期、先輩、後輩の皆さんの存在でした。牛島ゼミは特別で、仲間の面でも、ゼミ生活は自分の人間関係の築き方において大きく改善させてくれました。

今までは、組織で役割分担や上下関係が規律されており、役割に縛られて人に頼るのが苦手、役割を任されても周りを気にして思うように動けないという遠慮しがちな人間関係でした。しかしゼミでは様々な価値観を持った人がいて、かつグループワークごとに役割が変化するというフラットさがありました。そのため躊躇せず自分の個性を出し、遠慮の殻を破って自己開示が出来ました。今まで自分の個性にお付き合い頂き、ありがとうございました。これからもよろしくお願いいたします!

そして2年生の皆さん、2年間の日吉生活はどうでしたか?
三田に移ってからの2年間は、自分次第で大きく環境が変わって日吉時代とは違った充実感が得られる2年間です。そして人によって違うとは思いますが、自分はゼミがその充実感の一翼となりました。

しかし自分の冒頭の2年生当時の”課題”で書いた通り、「〇〇ゼミに入ったら凄い/入れば確実に成長する」というネームバリュー先行の選び方は止めましょう。残りの期間、今候補にあるゼミのブログやパンフを読んで、自分が何をしたくてどうなりたいかをよく考えてくださいね!その考えた過程で自分で選んだゼミが「良いゼミ」になるのです。
もし倍率で不安を感じたとしても行きたいゼミだったなら、じっくりと考えてそのゼミでなりたい姿がいっぱい思い描いてください!
じっくりと考えた結果として、牛島ゼミを選んでくれたなら嬉しいです。ぜひ来たるゼミ試験で本気を出し切って、充実した三田生活を送ってください!牛島ゼミ20期生としての皆さんの姿をOBという立場ながら心待ちにしています。