【知のスポーツ「ディベート」】

ディベートは簡単に言うと勝敗のつく議論です。
あるテーマに対して肯定・否定それぞれの立場に立ち、根拠に基づいた立論を主張し、相手の立論に対して反駁(はんばく)、最大の見せ場フリーディスカッション、最後に各チームからひとり最終弁論をして、ジャッジ(オーディエンス)が判定します。

私が所属する牛島ゼミでは3年生はグループワークが活動の中心です。
そのメインの活動のひとつが、このディベート—――…

こんばんは、4年のやましょうです。
今年も10月のディベートリーグが近づいてきました。
先日の後輩たちの練習試合をみて、ふと一年前の自分たちのことを思い出しました。

何かを背負うと言うこと

初めてのディベートは3チームに分かれます。その中で1チームだけ4年生と戦います。
例年他の2チームがA・Bチームとか肯定・否定チームと呼ばれる中で、そのチームは3年生チームとか対4年生チームと呼ばれます。
知らないうちに3年生、その代の旗を背負って戦うことになります。
次のディベートはインゼミディベート。ここでは対〇〇ゼミとして知らないうちに牛島ゼミの旗を背負って戦うことになります。
そして、全国から産業史・経営史系のゼミが出場するディベートリーグ渋沢栄一杯では抽選会から慶應さんと呼ばれます。別に大学内で予選を勝ち抜いたわけでもないけれど、知らないうちに大学代表みたいになっています。
戦っている時は正直気づけませんが、勝敗が出たときに背負っていた旗を守れたのか、奪われたのか急に意識させられます。去年、その旗を守れなかったことに気づいた時になんだかとても申し訳ないことをしてしまった気分になりました。

牛島ゼミでひとつのチームだと言うこと

ディベートリーグ渋沢栄一杯では各大学肯定・否定両チームの勝敗で優勝大学が決まります。昨年は一勝一分けのチームが3チームいました。結果的に、ポイント差で慶應は準優勝でした。
私たち肯定チームは練習試合では無敗でしたが、本番で勝てませんでした。せっかく否定チームが強敵に勝利したのに、慶應として優勝することはできませんでした。
メンバーの発言を大切にする。チームワークを大切にするのが肯定チームでした。
しかし、私は牛島ゼミとして戦う意識をできていなかったのかもしれません。
肯定・否定チーム。お互いに気にかけていましたが、「一緒に勝たなければ優勝はない。」そう思って共に戦う姿勢が私には欠けていたのだろうなと思います。
ディベートリーグには直接は関わらないけれど、いつも会場の設営やフィードバックに協力してくれた三田論チームにも優勝と言う形では応えられませんでした。

戦う相手は〇〇大学ではなく、ひとりの大学生だと言うこと

試合が終わってしばらく経ったある日「勝って当たり前の試合だったのに。」と尊敬する人に話したら、「お前、なんか勘違いしてないか?」と怒られたことがありました。
〇〇大学として出場するけれど、戦う相手は自分と同じひとりの大学生です。
同世代、同じテーマを自分たちと同じように死ぬ気で考え抜いてきた相手です。
だから、相手をリスペクトできない人にはあの場に立つ資格はないし、そういう議論は絶対にして欲しくないです。

スマートに、でも勝ちに貪欲に。試合に勝って勝負にも勝つ。

こんなことしかできないけれど・・・応援しています。