18期振り返りブログ【あゆみ編】啐啄のとき

2年生のみなさん、こんにちは!牛島利明研究会18期のあゆみです。

振り返りブログということで、私がゼミに入って1番最初の本ゼミの時に取っていたメモを見てみました。笑

ご覧の通り、この時はコンフォートゾーン(ぬるま湯状態)、ストレッチゾーン(理想の状態)、パニックゾーン(負荷がかかりすぎた状態)の説明が先生からあったようです。

2年間を振り返ると、いろんなゾーンにいる自分が思い出されるのですが、今回はその中で私が最もストレッチゾーンだと感じた経験をお話したいと思います。

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2年生のみなさん、牛島ゼミには”Something new, Creative first”という理念があるのをご存知でしょうか…?

私は、この言葉を2年前に聞いた時、誰もやっていない新しいことをやろう、という意味だと、文字通り受け取っていました。しかし、最初の本ゼミかどこかで、牛島先生が「新しさは“分析”の深さに起因している」といった内容をおっしゃっていて、「新しく始めればなんでも良いという意味ではないのかもしれない」と感じました。

分析というと、何か1つのテーマがあって、様々な手法でいろんな視点から考察する必要がある印象を受けました。


(2018年度第2回ゼミ説で使用していたスライドです。)

でも、牛島ゼミには上図のような流れで三本柱の活動が期間別(=終わりがある)であり、グループワークでは毎度自分の意思を優先できるとも限らず、自分個人のテーマを持った活動は卒論やプロジェクトなど限定的になる気がしました。

また、牛島ゼミの活動は、私にとってははじめて経験すること(渋沢杯など)でも、牛島ゼミのゼミ員という視点で考えれば、同じ課程を過ごしていることに変わりはない気もする。

ならきっと、ゼミ員みんなと同じ教育課程を経るだけでは、自分も同じような積み重ねをすることに留まらないだろうか。2年生の時に入ゼミで聞いていた牛島ゼミの活動は、どれも魅力的で新鮮で、”Something new, Creative first”であるかのようにみえたけれど、その手ごたえを私自身は感じられるのか、ひっかかりを感じました。

いま思えば、『ここ牛島ゼミで自分は”Something new, Creative first”の手ごたえを得ることができるのか』、という問いをゼミ生活で探究することが、卒業までの課題だったのです。

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話は少し変わりますが、私が所属していた、教育やキャリアデザインをテーマにしている、有志型プロジェクトFutureDesignProjectには、「企画書挙手制度」というのがありました。これは、やりたい企画があったときに、自分の担当企画として実行できる制度で、挙手したメンバーが中心となってチームを巻き込んでいくというものです。

そこで、はじめて、先ほど述べた自分の問いとプロジェクトの活動分野を踏まえながら、ワークショップで設計してみようと思い、去年の9月頃、企画書を書いてみました。(この企画である「牛島ゼミ教育カリキュラム改訂ワークショップ」の詳細は、別ブログをご参照ください。)

この企画の焦点は、ゼミに入ってから感じた課題や、当時の自分に対する違和感をどのように解消できるか、どういう視点を追加すれば普段の活動の意図を認識することができるのか、でした。もっとざっくり言うと、「どうやったらここで楽しく活動できるか」でした。

この点を踏まえつつ、「牛島ゼミ教育カリキュラム改訂ワークショップ」は、ゼミでの教育課程をゼミ員自身が企画することをコンセプトに置きました。

詳細は割愛しますが、ワークのタイトル通りゼミのカリキュラム自体を変えることを目的としていたのではなく、2年間の教育課程を個々人が描き、ゼミ活動を見つめ直すことを目的にワークを行いました。

はじめは冗談半分で企画書を書いていましたが、より明確に考えるうちに、以下のことに気がつきました。

企画しようとテーマを持ち始めたら、2つの変化がありました。
①日常が現状分析のプロセスになった
②自分の過去の経験がリサイクル(*)された気がした

*「リサイクルの例」
・ディベートの「定義」にこだわる姿勢は、価値観が異なる他者と共通の話題でワークする際にも大切だと気づいた
・ディベートの勝利から逆算して戦略を立てる手法は、ワークショップのゴールから逆算してワーク設計をする時にも必要だった
・燻っていた時期に感じていたことがモチベーションになったり、ワークとしてのアイディアに変化した

この企画を通じて、先生の「新しさは分析の深さに起因している」という言葉の意味を、いつのまにか体感できていたのかなと思います。

牛島ゼミのディベート、三田論、ソーシャルプロジェクト、卒論、グループワーク、ゲストトーク、そしてそば打ち(!)…etc.
これらを単体で取り組むだけでは、リサイクルの感覚は味わうことがなかったかもしれないなと思います。

改めて、『ここ牛島ゼミで自分は”Something new, Creative first”の手ごたえを得ることができるのか』という問いに戻ります。
私の結論は、「できた」です。ただし、手ごたえを体感できるかどうかは、自分の言葉で考えて事象を捉えようとした時から、でした。

あくまで私個人の意見になりますが、”Something new, Creative first”を理念に掲げる牛島ゼミは、

・ゼミ(組織)の方向性や、グループの枠組みが持つ特性を、多くの活動を通じて理解しつつ、自分の意見と照らし合わせながら試行錯誤していけるゼミ
・たとえ活動目的が漫然としてもいて、明確になったタイミングでやりたいことを実行する際に必要な力が、ゼミの活動課程を通じて(結果的に)養われているゼミ

なのかな、と思います。(ちょっと理想も入ってるかも…(笑))

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ここまでストレッチゾーンのお話をしましたが、私は違うゾーンにいた時もたくさんあります。むしろ、ストレッチゾーンでないと感じる期間の方が、正直何倍も長かった気もします。

それでも、今こうして無事に卒業を迎えることができたのは、様々なタイミングでいろんな言葉をくださった牛島先生、OBOGの先輩方、そしてゼミ員のみんなの存在があったからです。
特に、同期は自分が穴を開けてしまっていた時にサポートしてくれたり、去年の今頃「冬眠してたってことにしちゃえ!」と励ましてくれた言葉が本当に心強く、その時からまたがんばろうと思えました。ありがとう。

そして、これから入る2年生の1つ先輩である、19期のみなさん。
私が所属していたプロジェクトFDPは4年生のみのメンバー構成だったため、3年生と直接一緒に活動することは、他の18期に比べると少なかったかもしれません。このことは、私自身心残りもありましたが、上述したワークショップ企画のきっかけの1つでもありました。1年間を通じて、イマイチだなと思ったところは反面教師として思う存分使ってください。改めて、牛島ゼミを選んでくれてありがとう。

最後になりますが、16年間の小学校からの学生生活が気づけばいったん終了する時に、この牛島ゼミで学びに励むことができたこと、最後までやり遂げられたことが嬉しいです。大変だと思ったことも、今になるとなぜか愛おしいから不思議です。

ソーシャルプロジェクトや卒論の「ソーシャル」として、私が目を向けられた視野はゼミ・プロジェクトで関わる現場など限られた範囲でありましたが、今の自分に大切なことを学ばせていただきました。これからも大切にしたいです。

そして、牛島ゼミで学んだ分析や観察の大切さをもとに、好奇心を未来だけでなく過去にも向けて、新たに人生の選択肢を増やしたり、自分なりに組み合わせたりしていきたいです。

最後に、2年生のみなさん!
前向きなゼミ選びや大学生活を望ましいゾーンで送れることを、私も応援しています。