20期振り返りブログ【てつさん編】楽しむことを忘れないで

こんにちは、20期のてつです。
振り返りブログです。

2年前の今頃、1回目の緊急事態宣言下でゼミ試験が延期されるという状況の中で18期の先輩の振り返りブログと19期の先輩の場つなぎブログを読みながら、エントリーシートを準備していた自分が考えていたことは、牛島ゼミに入って「三田生活で何か頑張ったと言えることを作りたい!」「とにかく成長したい!」という2点でした。

このブログを読んでいる2年生は、きっと2年間の活動を終えた4年生が(実は、まだ終わっていないかもしれない)「ゼミの活動でどう成長できた?」という問いにかっこよく答えてくれることを期待しているでしょう。2年前の自分もそう考えると思います。
ですが、牛島ゼミでの2年間の「成長」を一言で言い表すのはほんとに難しかったです。あまりまとまりのない文章にはなってしまうのですが、自分なりに感じたことを書いたつもりなので、時間のある方はぜひ読んでいってください(笑)

2年間の牛島ゼミの活動を通して、活動の中で与えられた問いは、ケース&リサーチ、三田論、ディベート、ソーシャルプロジェクトそれぞれで明確な答えのないものでした。具体的に言うと、高校までの勉強、いわゆるテストの点数で優劣が決まる勉強における問題は、基本的にたどり着くべきみんなから見て普遍的な一つの答えがあると思います(よっぽど悪問じゃない限り)。それに対して、牛島ゼミの2年間ではまだ答えのない問題を自ら提起し、それに対して自分で仮説を立て、検証し、そこから自分なりに1つの答えを導くという思考のプロセスをたくさん経験しました。

これを一言でいうと、「沼」です。はまります。そこに簡単に飛びつける「答え」という助け舟はありません。(ここでいう「沼」は、好きなものにのめり込む沼とは違って基本的に居心地が悪くて不安になるような沼です。)


(沼の中をもがく例)

僕は、このような思考のプロセスが当初とても苦手でした。今振り返ると高校の時の勉強は周りに流される中でやっていただけだったと思いますし、大学に入ってからも2年間自分で新しいことを考えるということからは逃げてたなと思います。「自分を変えたい!」と思って牛島ゼミに入ることができたのはいいものの、このようなあまり経験したことの無い思考プロセスに追われて苦しい時期もありました。一番印象に残っているのは3年生の中盤で取り組んだ三田論です。僕が参加したのは「道の駅」をテーマにした論文を執筆する班だったのですが、問題提起・仮説・検証のプロセスを繰り返す中で答えが見つからず、咄嗟に違うテーマに逃げ出そうとするという、今考えると間違った沼のはまり方をしてしまいました。
一方で、沼にはまること自体はとても大切なものだとも牛島ゼミの活動を通して痛感しました。このプロセスを経験できたからこそ、僕はこの2年間で、一言で表せないくらいの成長が出来たと思います。

最後に、自戒も込めて、宮崎駿さんが某テレビ番組で発言していた言葉を引用しておきます。
「世の中の大事なことって たいてい面倒くさいんだよ」
「「面倒くさかったらやめれば?」「うるせえな」って そういうことになる」
「面倒くさいっていう自分の気持ちとの戦いなんだよ」

さて、突然ですが、ここで話は昨年3月に移ります。
1年間一緒に活動した19期の先輩が卒業するにあたって、僕はトガプロの先輩から手紙を頂きました。すべてのメッセージに先輩からの想いが詰まっていてとても心に響いたのですが、その中でも特に印象に残ったのは「楽しむことを忘れないでね」というメッセージでした。

今までの自分は、一旦答えが見えなくなってしまうと、自分の興味をもって始めたはずなのに、しんどくなって楽しめなくなってしまう。とにかく早く答えを見つけて安心したい!という想いに駈られてしまうことがありました。でも、自分の中で悶々と考えているだけでは、沼がより深くなる一方で、どんどん苦しくなってしまう。それを先輩には見透かされていたんだと思います笑 そんなこともあって、4年生の活動ではいろんな活動の中で答えが見つからないことを恐れず、ある意味でそのことを「楽しむ」ことをなんとなく意識していました。
といっても、これは言葉にするのは簡単なのですが、自分の中でバランスを取るのが難しくてこれから社会に出て活動するにあたってもずっと考えていかないといけないことなのかなとは思います。

でも、そんな中でも1つこの考え方が形として生かせた企画としてトガプロの「自習室」企画があります。この企画は、昨年度プロジェクト活動のほとんどがオンラインとなる中、「地域領域にまつわる本や雑誌、記事などを読んで感想や考えをみんなで共有し、内容理解を深める会」として先輩方が企画してくれたことから始まりました。この企画は全ての人に共通するゴール、目的を求めてないということに特徴がある企画です。参加することを通して何か正解に到達できるわけではなくて、むしろ「モヤモヤ」が深まることもあるというのは、牛ゼミの他の活動ではあまりない気がします。でも、だからこそ、たまには答えのない問題を考えてモヤモヤを「楽しむ」場所があってもいいのかも?と思えたのは、自分にとってもとてもいい経験でしたし、実際自習室では自分のやりたいことも出来て、とても満足しています。(詳しくはこっちにも載ってます)


(自分にはないものを持っている人がたくさんいたトガプロ。感謝。)

と、ここまでつらつらと書いてきましたが、たぶん2年生が期待してくれていた分かりやすい振り返りブログにはなっていなくてごめんなさい。やっぱりはっきりとはまだ分からなかったのですが、でも確かに、この2年間で得られたものがあるという確信はあります。

最後に、沼にはまりながらもここまでたどり着くことが出来たのは、一緒に活動してくださった19期・21期のみなさん、同期のみんな、そして2年間見守ってくださった牛島先生のお陰です。本当にありがとうございました。