18期振り返りブログ【まさや編】もしも砂漠に捨てられたらば

大学2年生。帰省時の我が家。母の唐突な発言に耳を疑いました。

「もしもの話、うちの子供たちを砂漠に置いて帰ったら、3人のうち真っ先に逝くのは、絶対まさ(実家では“まさ”と呼ばれています。大変お恥ずかしい。)だと思うんだよね。」
「確かに。」父の素早い相槌。

これが四半世紀近くを共にした夫婦の阿吽の呼吸。素晴らしいコンビプレーに感心しそうになったが、自分よりヌけてる姉を引き合いにすぐに反論を試みる。
「え?なんで俺?絶対姉ちゃんでしょ。」
うちの姉はマヨネーズを取ってきてと言われて席を立ち、冷蔵庫を開閉するだけで何も持たずに戻ってくるタイプの人間であるのに、その姉より自分が先に死ぬとは何事であるか。
僕の反論を制するように最後に父が一突き。「だって、3人の中でお前が一番何も考えてなさそうじゃん。」

父の一言に多少イラッとしましたが、図星だったと言わざるを得ません。

大学2年までの僕は、自分で考えることをせず、周囲に流され、レールの上をひた走る。とりあえずこの大学に入れたけど、入学後はとくに努力もせず、バイトと趣味に没頭するぬくぬく大学生でした。これはこれでとても居心地がよかった。

砂漠なんて無縁、オアシスで楽にのんびり過ごしてきたけれど、心の隅に大きな懸念がありました。それは将来的に家業を継ぐということ。後継ぎを任されている身として、このままの生活を続けてて本当にいいのかという気持ちが次第に大きくなっていきました。というか恐怖心に近かった。すごい形相のアーノルド・シュワルツェネッガーに常時追われているような感覚です。このままやと実家継いだところで、絶対会社潰してしまいそう。社員の方々にもご先祖様にも顔向けできん。やばいやばい。変わらなきゃ。

はよこの生活から抜け出さんといけん…!
そんな漠然とした焦りを抱えながら迎えたゼミ選び。
選ぶ軸は、とりあえず、自分が成長できそうなところ。
焦ってるとか言ってたくせに、なんて安直なんでしょう。タイムマシンがあったらこの時期の自分にあんなことやこんなことして、もう少し考え直させたいです。

第2回ゼミ見学、ムーミンに出てくるスナフキンのような親友から、「雰囲気、馬場ちゃんっぽいゼミあったよ。」と言われ牛島ゼミのブースに漂着。今このブログ書いてて気づいたけど、マサヤはここでも周りに流されていました。本当に何も考えてなかったんだね。そりゃ、砂漠で捨てられたら真っ先に死ぬと思う。

牛島ゼミの説明会。自分の活動の説明をすごい熱量で話してくれる先輩方に囲まれて、ここなら自分は成長できそうな気がする、という考えのない直観でこのゼミを受けることを決意。中身のない自分を拾ってくれた17期の先輩方、先生にはとても感謝しております。好きです。

前振りが長くなりました。ここからがゼミ生活の振り返り。3年生編。
ゼミに入るやいなや、いきなりのディベート。
同期と一つの論を作るために、何度も議論を重ねる毎日で、最初は新鮮で楽しかったけれど、次第に同期と自分に差を感じ始めました。というのも、2年生までオアシスにいた自分とは違い、周りは、留学、インターン、體育會など、自分より濃い経験を重ねてきた人がしばしば。おそらく、強い砂嵐の中を生き抜いてきたのでしょう。会議中、彼らの鋭い意見、考え方、視野の広さに感心するとともに、何もできない自分が恥ずかしかったのを覚えています。

彼らは、砂漠で死にそうになっている自分を見捨てることなく、やさしくフォローアップしてくれました。この人たちは砂漠で自分が生き残るだけじゃなくて、他人のことを背負ってあげることもできるのか。かっこいいな。きっと彼らの前世はラクダなんだろうな。


初回ディベート班のラクダの皆さん

そんなラクダ達のようになりたい、自分も彼らのような立派なコブがほしい…。
…何の話?違う違う。

第一回ディベートで何もできなかった挫折経験から、同期に追いつきたい一心でひたすらにゼミの活動に励みました。渋沢杯優勝を目標に苦手意識のあるディベートに取り組みつつ、合宿係として従来のゼミ合宿の在り方を一新。めぐるめでは規格外野菜の良さを伝えるためにレストランイベントを開いたり、有志型のプロジェクトで4年生のゼミ生活を冊子にまとめて2年生に届けたりetc.
同期と頑張って、渋沢杯も優勝できたし、合宿も成功させることができた。先輩と頑張って、レストランイベントも開いたし、冊子も満足いくものになったし。あー、やりきった…。満足満ぞk…?

あれ…?なんかおかしい。
その違和感に気付いたのは3年生の12月。
頑張ってきた割には、あまり成長してない気がする。たくさん活動に取り組んできたけど、自分に何が身についたのかわからない。なんでだろう。(★)
そのとき、冒頭の父の一言が頭の中で響きました。

「何も考えてなさそうじゃん。」

確かに、このころの自分は、何も考えずに頑張ってただけ。
焦って、いろんなことに手を出して、タスクに埋もれて、いつのまにかそのタスクの処理が目的になって。浅はかにも、活動の中でそれらをこなしていけば必然的に力が付くものだと思い込んで、何も考えずに日々が過ぎていくだけ。頑張るだけじゃダメなんですね。

なんで実家を継ぐのか、なんで成長したいのか。
なんでこのゼミじゃなきゃいけないのか。この活動に自分が何を求めて頑張っているのか。
考えて考えて考え抜いて、そこに意識を置いていれば、もっと一つ一つの活動に自分なりの意味を持たせることができていたんじゃないかなと。今よりももっと成長できていたのかなぁ。惜しいことしたなぁ。もったいないおじさん。

けれど、この一年で一度立ち止まって、考え始めたからこそ、大きな気づきを得ることができました。後悔したら次に繋げないとですね。
ちなみに、(★)文中の星マークは、何も考えなかった人間が『考える』ようになった瞬間。たぶんですけど、牛島ゼミはディベートやらなんやらで、批判的思考力を鍛えるとともに、答えのない問いを立て、それを突き詰めていく環境にあるので無意識に『考える』ことができてたみたい。ラッキー。結果オーライ。これからは意識的にやっていこうと思いました。
まさに人類の進化の瞬間。「クララが立った…!」ぐらいの奇跡です。


3年生最後のゼミ-Gyu17+18-

ふざけるのはここまでにして、4年生編。

3年時の気づきのおかげで、もう同じ轍は踏みたくないと、4年生での活動では、『考える』ことを止めずに走り抜くことができたと思います。

自分は論理的に物事を伝えるのがあまり得意ではないので、今まで何となくこなしてきた日常的な会議から、どうすればうまく伝わるか、上手に話せる人はどんな伝え方をしてるのかとか。こんな風に本当に些細なことでもいいから『考える』習慣が付きました。考えて意識するだけ。たったそれだけで、ただがむしゃらに頑張っていた時より、活動が身になってる感覚があった1年でした。筋トレもどの筋肉をいじめているか意識するだけで効果が違うとかよく言いますもんね。(4年生の内容薄くない?そう思った読者の皆さん。すいません。このブログの提出期限ギリギリで執筆してまして…、間に合ってくれ。)

たぶん今なら、砂漠に置いて行かれても、3人きょうだいの中で生き残る自信がある、と確信したのは束の間。先日家族でご飯を食べた際に、姉と妹がそれぞれ成長している姿を見て、これはまだ自分が最初に死んじゃうかなと思いました。自分以外の時間もちゃんと回ってるんですね。まだまだ精進が足りないみたい。これからです。

最後に。
今回の話で自分が考えてこなかったことに後悔してるとは言いましたが、このゼミを選んだことは全く後悔していません。何も考えてなかった自分だけれど、このゼミを選択したことは褒めてあげたいです。よくやった。ナイス直観。

おかげでたくさんの素敵な出会いがありました。

17期の先輩方、憧れです。先輩方が頑張っている姿、その背中を見てここまで頑張ってこれました。これからも仲良くして欲しいです。たくさん遊んでください。(ついでに奢ってください!)

19期の後輩、頼りない先輩でしたが、プロジェクトにしても普段の活動にしても、19期がついてきてくれて、頑張ってくれたおかげでゼミがいい方向に向かったのは間違いありません。みんなを選んで本当に良かったです。

先生、プロジェクトやら卒論やら、将来のことまでもご相談に乗っていただいて…。多くを語らず、自分に『考える』場を提供してくれたこと、いつも温かく見守ってくれたこと、本当に感謝しています。

そして、辛い時も、楽しい時もいつも横にいたのは同期のみんな。このメンバーじゃないと2年間を乗り越えれなかったと思うし、このメンバーじゃないと乗り越えても意味がなかったと思ってます。それぐらい素敵な同期です。これからもよろしくお願いします。


4年生最後のゼミ-Gyu18+19-

ゼミ愛が強すぎて、2年生向けのブログということを失念しておりました。締めますね。

これから、ゼミを受けようと検討している2年生の皆さん。
将来、あなたはどんな人になりたいですか?どんな仕事をしたいですか?
そのために、どうするか?ゼミに入るか、ゼミに入らずインターンやバイトで経験を積むか。
自分の設定した目標への道は腐るほどあります。分母は無限大です。
その時は、分子を1に絞るために、『考える』ことを続けてみてください。あと少し、考え抜いてください。そして最後に残った1つを、捨ててしまった他の選択肢の分まで全力で駆け抜けてください。振り向いたら負けです。

僕も皆さんと同じように。
これからは社会人として、自分で考え抜いて選んだ道を全力で走っていきます。
お互い頑張りましょう。