もし神様がひとつだけ願いを叶えてくれるとしたら、
私は「また会いたい」と思ってもらえる人になりたい。
はじめに
誰かに「また会いたい」と思ってもらうことは、想像以上に難しい。
特に短い時間でそう感じてもらうのは至難の業だ。
けれど、ゼミに入るには、ESと3回の面接でそう思ってもらわなければならなかった。
倍率は2倍。決して甘くない現実に気づいたのが、10月のことだった。
では、ゼミ見学にたくさん行けばいいのか。
確かに回数を重ねれば判断材料は増える。
しかし、一度目の印象が良くても、二度目に「こんな感じの人だっけ?」と思われてしまうこともある。
そんな葛藤を抱えたのが11月だった。
それでも、憧れの23期の先輩と牛島先生に「また会いたい」と思ってもらえるように、
どうしたらいいのかを考え続けた。
その日から、何度もESを書き直した。
言葉の一つひとつを見直し、自分が何を伝えたいのか、どうすれば誠実に届くのかを考え抜いた。
面接練習も繰り返し行った。話すたびに緊張で声が震え、思うように言葉が出てこないこともあった。
それでも、自分の想いを少しでも正しく伝えたくて、何度も挑戦した。
そして迎えた本番の日。これが自分の人生の大きな分岐点になる気がして、心臓の音がいつもよりずっと大きく聞こえた。
12月10日。
「どうやら、また会いたいと思ってもらえたようだ」
そう感じた瞬間、これまでの努力が一気に報われたような気がした。
胸の奥がじんわりと温かくなり、心から嬉しかった。
ゼミに入って気づいたこと

実際にゼミに入ってみると、社会人の方々から「また会いたい」と思ってもらうことの難しさを痛感した。
大人は本当にすごい。毎日働き、誰かの生活や夢、未来を支えている。
そんな人たちに「この子の話を聞いてあげよう」「また話したい」と思ってもらうのは、
やりたい・頑張るだけでは届かない世界だと知った。
社会に出る前に、どうすれば大人に「また会いたい」と思ってもらえるのかを考える機会を得られたのは、
このゼミでの大きな学びだった。
観察することから学んだこと

ゼミでは、「また会いたい」と思わず感じてしまう、不思議な魅力を持つ人に出会うことができた。
私はその人のようになりたくて、「なぜまた会いたくなるのか」を観察してみた。
相手のペースを尊重する
私自身、話すのも歩くのも早く、相手のペースに合わないと会話がぎこちなくなってしまう。
けれどその人は違った。
どんな相手とも自然なテンポで会話をし、相手が話すのが早くても遅くても、おしゃべりでも寡黙でも、
無理のない空気をつくり出していた。
観察して初めて、その人のすごさに気づいた。
縁を大切にする
私は新しい人と出会うこと自体は得意だった。
けれど、その人は出会いを“点”で終わらせず、“線”としてつなぎ、“円”のように広げていく力を持っていた。
忙しい中でも顔を出し、笑顔で挨拶をする。
その姿に、縁を大切に育てるということの意味を教えられた。
言葉遣いが美しい
「やばい」「無理」「嫌だ」——そんな言葉をその人の口から聞いたことがない。
そして私が落ち込んでいるときには、底抜けの笑顔で励ましてくれる。
自分がマイナスな言葉を使わないだけでなく、
他人のマイナスな気持ちさえも明るく変えてしまう姿に、心から尊敬した。
最後に
「また会いたい」と思ってもらえる人になることが、どれほど難しいか。
この2年間でたくさんのことを学んだ。
今の私は、まだ「自分が会いたいから会ってもらっている」段階にいるのかもしれない。
けれど、これからはこのゼミで学んだことを胸に、
大切な人に「また会いたい」と思ってもらえるような人でありたい。


