FDPの活動日誌vol.2 異業種交流会「人生ゲーム ひとマスお披露目会」

こんにちは!FDPのあゆみです。

ここ【FDPの活動日誌】では、FDPが行った教育現場への訪問(フィールドワーク)やワークショップをはじめとする活動報告を発信しています!

今回は、3月16日(土)に三田キャンパスのグループ学習室にて、18期(当時3年生)間での異業種交流会を行いました。

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今回の企画を開催したのは、3月1日から就職活動が解禁し、18期(3年生)ゼミ員も会社説明会の参加ラッシュに突入していた時期でした。

 しかし、1人の就活生が探すことのできる志望業界や企業の数には限りがあるのも事実です。

「先入観や曖昧な消費者視点のみを判断材料として、知らず知らずのうちに企業や働き方の選択肢を狭め、チャンスを逃してしまっている可能性があるのではないか?」というちょっとした疑問からこの企画がスタートしました。

そこで、「普段他業種を見ているゼミ員同士を座談会を通して繋ぐことで、ゼミ員に新たな気付きや可能性を感じられる場を作ってみよう!」という考えから、以下の企画を考えました。

【企画概要 異業種交流会「人生ゲーム ひとマスお披露目会」】

 みなさんは、人生ゲームをやったことはありますか?人生ゲームの序盤から終盤でいろんなライフイベントがありますよね。現在21,22歳である私たち学生は、直近では大学卒業後の進路決定の時期に差し掛かっています。

 就活生が参加する一般的な異業種交流会や座談会というと、内定者や新卒1,2年目の社員がその企業を志望する学生に向けてある意味制約化の下で限定的なメッセージを発信します。特に就活を既に終えた内定者や社員は、成功例やロールモデルという立場から就活時代を振り返り、経験を話します。

しかし、現役就活生が現在進行形で就職活動をログとして残したり、途中経過を可視化することで、より身近な見聞をゼミ員同士で共有し、今後の進路選択に生かすことができるのではないでしょうか。

 これらの意から、人生ゲームの途中であるプレイヤーの、ある”ひとマス”にフォーカスし、そのマスについてお披露目する、という企画にゼミ員を招待しました。

 

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当日の異業種交流会「人生ゲームのひとマスお披露目会」には計3名のプレイヤー(ゼミ員)が参加しました。FDPが準備していた就活に関する10個のトピックから、ランダムで5つ選んでもらいその話題について発表し合いました。

今回のブログでは、5つのうち2つのトピックについてプレイヤーから出た意見をお伝えしていきます!

~トピック①今までもらった就活のアドバイスの中で1番響いたことは?~

プレイヤーA

「自分の中で変わらないものを軸に選べ。自分自身の興味関心は変わるし、スキルも変わる。ただ価値観は20年くらい生きていると形成されてくるから、価値観を軸にすると良い。」by 会社説明会

プレイヤーB

「育休とや制度の有無だけでなく、自由度の高い会社がおすすめ。”選択できる”ということが大切。女性が「母」になっても「子育て」をしても、”働く選択ができる”かつ”ロールモデルがいる”ところで働くことが大切。」by OG訪問

「ファーストキャリアが大切。結局、初めて社会人になった環境で自分の価値観が作られる。新卒で入った会社では、新人教育でホスピタリティ精神を徹底的に叩き込まれたが、転職先の会社ではホスピタリティ精神や気遣いはあまり重視されず、社員の振る舞いにも違いがある。」by OG訪問

プレイヤーC

「入社して3~5年経った時にある程度自立できて、一方で自分が疲れすぎない会社が良いよ。自立とはビジネスの基礎を体得すること。ビジネスについて学ぶことができる環境・比較的余裕のある会社(社員数・社内制度・利益率…など)を選ぶといいよ。」byインターンをしていた会社の社長

「”ヒト”のみを理由にして会社を選んではいけない。社員はいつ転職するかわからないし、自分が惹かれた人と一緒に働ける保証はない。ヒトに左右されず、自分自身のやりたいことをきちんと考えるべき。」byある会社の社長

以上のように、様々なアドバイスがプレイヤー全員から出ました。しかし、各々に響くアドバイスは多様のようです。プレイヤーAは「価値観の形成」について、プレイヤーBは「女性として・新卒としてのキャリア選択」について、プレイヤーCは「企業選択時の長期的な視点」がそれぞれ最も響いていたようですね。

 

~トピック②会社説明会で印象に残っていること~

プレイヤーA

「知性は『環境順応型→自己主導型→自己変容型(※)』で変化していく。自己主導型で多くの人が留まってしまうけれど、自己変容型になって周りと調和しながら相互協力できる人財が求められる。」と会社説明会で伝えられたことが心に刺さった。

※ハーバード大学教育学大学院ロバート・キーガン教授による研究

プレイヤーB

OG訪問した際、「健全な組織を作るために必要なことは、①共通の目的、②協働意思、③コミュニケーションの円滑度。組織の目的があっても、理念が不明瞭だったりコミュニケーションが円滑でないとイマイチな組織になってしまう。過去までのやり方をむやみやたらに踏襲しても、今目指すべき目的地が定められなくなってしまう危険がある。」と伝えられたことが最も印象に残った。

プレイヤーC

プレイヤーCは、あるイベントで食品メーカーの研究職の方に「なぜ多様性を重んじると思う?」と聞かれたのをきっかけに、「多様性」という言葉が世の中のあらゆる企業・業界で共通して頻用されることに疑問を持つようになった。プレイヤーC自身は、この問いに対する回答として、「人口減少する日本社会において、労働力をムダ・ムラなく生かす・人材を確保する口実なのだろうか?」と考えていた。そこで、異なる業界・多数の会社説明会に参加し「なぜ多様性(ダイバーシティ)を重んじるのですか?」という問いを説明会中に聞き逃さないようにして、わからない場合は自ら質問するようにしていた。すると、「多様性という言葉の解釈が会社によって違う!」「多様性の先に目指す姿が異なる!」と気づいたことが最も印象的だった。

【「多様性」解釈の例】

コンサルティング会社a

クライアントの課題を解決するためには常にクライアントよりも先回りしていなければならない。だから様々な価値観を持ち「変革」を加速させる人材を求めるため多様性を重んじる。

ECサイト運用会社b

従業員も大切なお客様であるから。国籍・言語・宗教・性別が多様なお客様の縮図として捉えているため、ダイバーシティを重んじる。

食品メーカーc

そもそも、旨味は国によって違う。

各国・地域の人々の嗜好・味覚に合わせた商品を提供するため、日本人だけでアイディアを考えても新規性が出てこない。そこで、多様性を重んじ違う価値観を融合して、独自開発にこだわり、アウトプットとして加工することで、“おいしい食“を達成することができるのである。

 

<h3>【所感】ペルソナに自分を含む企画</h3>

今回は、異業種交流会を切り口として、一人ひとりが価値観を客観的に見つめ直す機会になりました。

以上に記したように、プレイヤーによって印象的だった言葉や響いた価値観は様々であることがわかります。説明会やOBOG訪問など、就活における取り組みは同じように見えますが、学生一人ひとりの特性や関心によって、解釈や重要度の違いが存在します。その違いが徐々に明確になる過程において、対話の中でお互いにハッとする場面が多くあったように感じました。また、今回はFDPでの私の初企画だったので、少し緊張感もありました。企画のペルソナを考えていると、他者視点に重きを置きがちになってしまいますが、自分自身もプレイヤーとして参加してみて、ゼミ員の新たな一面を発見できた企画を実行できたことが特に嬉しかったです!

参加してくださったゼミ員の方々、ありがとうございました!