19期振り返りブログ【しゅんのすけさん編】スべしゃりスト

後天性のアレルギー。小さい頃から人前で喋るのが苦手だった訳ではない。むしろ、人前に出て何かをやるのは好きだった。こう見えて(どう見えて?)小学生の頃、学芸会の劇では主役をやったし、全校生徒の前で指揮者をやってみせたことだってある。いつからだろうか。人前で喋るのが怖くなってしまったのは。人から注目されていると思うと心臓が暴れ出してしまう。制御不能。

もちろんこれは、自分に実力がないことの言い訳でしかない。上手くいかない事を何か別の問題があるかのように取り繕っているのだ。頭の中では素晴らしいプレゼンをしているのに、少し心臓が暴れたくらいで途端に上手く喋れなくなることに、納得出来なかった。しかし、現状をどうにか変えてやろうという気概もない。そんな自分に嫌気がさしていた。

ちょうどそんな頃だったと思う。第二回ゼミ説明会が開催された。正直めんどくさかったし、どのゼミも特別いいとは思わなかった。帰りがけ、ひときわ目立つ牛柄の看板をぶら下げた人と目が合ってしまった。「しまった」そう思ったのも束の間、強引に教室の奥へと連れていかれた。「ミノタウロスか…」身構えたものの、その人はすぐにどこかへ行ってしまった。代わりに話をしてくれたのは目をきらきらさせた二人組の人間だった。充実感。そんな言葉が頭をよぎった。二人はディベート大会で優勝したのだと言っていた。たしかに。さきほどからこの二人の言葉はすんなりと頭に入ってくる。この「牛ゼミ」とやらに入れば上手く喋れるようになるだろうか。目の前の二人組を眺めながらぼんやりと思った。このゼミに入ろう。チャンス到来。

「牛ゼミ」に入って分かったことだが、ディベートというのは本当に恐ろしい。自分の発言一つでチームが劣勢になり、そのまま大敗。なんてことにもなりかねない。ましてや、試合には聴衆がいる。人前で討論をするなんておぞましい話だ。しかし、だからこそ喋りのトレーニングになるのも間違いない。

迎えたはじめての試合。心臓の音がはっきりと聴こえるのは会場の静けさのせい、という訳でもなさそうだ。でも、勇気を出して喋ってみた。「発言は指名されてから行ってください」司会に注意された。それは大変失礼致しました。結局よく分からない事を喋ってしまった気がする。何を喋ったのかすら覚えていない。もしかしたら、口をパクパクさせてただけかもしれない。水面の魚みたいにまぬけ。向かいに座った女の人がなんか言い返してきたが、全く頭に入ってこなかった。とにかく早く終わってほしいと思った。これがハイライト。

こんな泥仕合を演出しても、辞めようとは思わなかった。向いてないのは最初から分かっている。いま思えば向いてないって決めつけるのも悪い癖だ。それからひたすら練習した。絶対試合で活躍してやる。その一心だった。上手くやろうとしなくていい。落ち着いてゆっくり喋ろう。同じ班の仲間や先輩方が、たくさん練習に付き合ってくれた。「牛ゼミ」のこういうところが好きだ。

十月。ついにその時は来た。一番大事な日。最後の試合が始まった。いつも通り心臓は制御不能。もはや通常運転だ。勇気を出して手を挙げると、いきなり指名された。聴衆の目線が集まり、頭が真っ白になる。見ないでくれ。支離滅裂な発言。冷や汗と大恥をかいた。

おそるおそる隣の仲間の顔色を覗ってみると、全く気にしていないような顔をしていた。前言撤回。かいたのは冷や汗だけ。なんとなく勇気付けられた僕はもう一度手を上げた。我ながら完璧な発言。相手がひるんでいるのが目に見えて分かった。こうなれば怖いものは何もない。その後、何度か発言したが、すべて上手くいった。試合が終わるころ、心拍数は嘘のように安定していた。そこには、純粋にディベートを楽しむ僕がいた。

半年を経て、人前で喋ることへの苦手意識は薄れていた。ゼミで開催したイベントで司会を務めた時、先輩から、「めちゃくちゃ良かったよ。喋るの上手いね」と言われた。ふと、このゼミに入って良かったと思った。

もちろん今でも緊張はする。ただ、人前で喋るとなると決まって心が躍り出す。

 

みなさんこんばんは。19期ののもとです。長ったらしいプロローグを読んでくれてありがとうございます。え?今から本編なの?って思った方。安心して下さい。本編は、みなさんがESを書くところから始まります。

最後に、ゼミ選びって人によっては大きな選択ですよね。牛ゼミだって入ってみたら全然楽しくない可能性だってあります。だから、あまり打算的にならずにしっかり考えてください。考えて考えて心底考え抜いた上での選択だったらきっと後悔のしようがないと思います。仕方ないよ。もうこれ以上考えようがないじゃないかって。その後はまあ、とりあえずやってみてください。(自分への戒めも込めて)

 

それではまた。

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