―そして夏からは牛島ゼミの特長の一つ、ソーシャルプロジェクトが始まります。
R:プロジェクトとは『社会に対して学生という第三者の立場から、どういうところに課題があるのかを見つけ、それに対して出来ることを探し、アクションしていく活動』です。
N:あと、ゼミの中での位置付けで言うと『三田論とかディベートとかで培った批判的思考力とか論理的思考力を生かして活用してみる場所』だよね。
Y:アウトプットを実際にする。
N:力試しとも言えるかな。
R:ゼミ員は全部で4つあるプロジェクトから一つを選んで取り組むんだけど、この4人は全員違うプロジェクトに所属してるよね。
K:私は〈ユニスポ〉っていうスポーツ×障害者って言うのを切り口にして、どうしたらすべての人がスポーツ観戦を楽しめるんだろうっていうところを、企画実行していくプロジェクトです。
Y:おおおお
K:まとめたー。
Y:まじですか。僕は〈フューチャーデザインプロジェクト〉に入ってて、簡単に言うと自分がどうなりたいかって言うのをちゃんと突き詰めて考えられる人が増えるような社会になっていくようにっていうビジョンの下、やっています。
N:はい。私は〈トガプロ〉に入ってて、富山県南砺市の人口500人の限界集落に足を運んでて、この村の魅力を発信するために課題を見つけて設定して、そのために自分たちは何をできるのかって言うのを目標に活動しています。
R:僕は〈めぐるめ〉なんですけど去年は、生産者の思いを消費者に届けるっていうところをテーマにやってて、やっぱ今のこの大きな市場メカニズムだと生産物の差別化っていうのができなくて、こだわりを持って作ってもそれが消費者に伝わらないって言うところに問題意識を持って、どうやったら伝えられるかなっていうところを考えてやってます。
―みなさんにとってプロジェクトはどんな立ち位置にありますか?
N:サークルって感じ。私にとってはディベートとか三田論は授業とか部活とかって感じで、ソーシャルプロジェクトは強制感がない分、言ってしまえばやりたくなければやらなくてもいい。だから、本当の意味での主体性とか協調性が問われる場だよね。
K:私はなんだろうね。ある意味サークルかも。自分がやりたいようにやってる。なんか2年間だけって言う感情はなくて、今までも自分が感じてた問題意識を、たまたまこの2年間で実践する場を与えられてるけど、たぶんこの先もやっていくんだろうなぁて言う感じ。
N:趣味?
全員:そう趣味!
K:あれ、趣味かい?趣味だと軽い感じする。なんだろう。好きなこと?
Y:だからよくも悪くも強制されてる感じは無いよね。何かやれよみたいな。
Y:ほんとに興味あるものに対してやっている感じ。だから離脱する人とかもいるけど、それはその人がやりたいことを見つけてやっているってことだから別にネガティブではない。むしろポジティブ。
K:あとディベートとかに比べて外部の人と関わる機会が圧倒的に多い。
N:やっていく中でいろんな人に出会って、いろんな人に力を借りて、っていうのがすごい印象的で。すごい人脈広がったなって言うのはある。
K:広がる広がる!
Y:最初プロジェクト始まる前にさ、先輩とかから「何でもできるよ」って言われるじゃん?最初は嘘だろうって思ってたけど、実際入ってみたら自分が「こうしたいな」って思って行動していくことを、すごいプラスに捉えてくれる。それはゼミの中だけじゃなくて、外部の人から協力してもらったり、先生とかも「こういうのあるよ」っていうインプットを積極的にくれたりとか。あとは別の団体と連携してやったりとか、っていうのは実際やってみて初めて実感したりして、そういうのが成功体験につながったりしてどんどんやっていこうっていう気持ちになれる。
K:まじでなんでも出来る。
Y:うん。
N:言って本気でやれば絶対実現できるっていう感じだよね?
K:そうそう。
Y:だからこそ行動力っていうのはめちゃめちゃ求められる。むしろそれがないとなんにも得られない事になっちゃうから。楽しいよね。一歩踏み出したら全然景色が変わってまた踏み出したら景色が変わる。
―そして、今みなさんは卒論に取り組まれていますよね。
Y:卒論は簡単に言うと『自分が疑問に思った事に対して問題提起をして、仮説立てて検証していくって言う論の展開』だと思うんだけど、このゼミの特徴の一つとしては、『その検証のところでも、その前の段階でも自分で足を運んで調査してフィールドワークして、そこから調査してデータをもってきて検証していく』ってところだと思う。大変そうだけどがんばりましょう。
K:テーマ決まった?
Y:テーマは今模索中。
全員:笑
K:でも割と何か自分が所属してるソーシャルプロジェクトに寄る人もいたりするよね。
Y:そうだね。後はマジでほんとにやりたいことをやるかかな。先輩だったらテレビ関係とか、本・書籍・出版系とかのテーマの人もいたし。
K:それもそれぞれの色出るだろうね、楽しみ。
N:決まってる?
R:全然決まってないけど、やっぱ今やってるプロジェクト関連にしようかなって思ってる。
K:やっぱそうなんだね。
R:うん。でもなんか先輩とかを見ていると、福祉関連のやりがいとか、そうゆう人間的なところに焦点を当てている人が多いんだけど、自分はもうちょい機能的な所にしようかなと思っていて。例えば会社の形態とか、産業史・経営史らしいテーマをやろうかなぁと思っている。
Y:このゼミは、例えば「マーケティングでこれをやりなさい」みたいなのが無いから、自由度が高くてだからみんなバラバラになっちゃう。でも、だから他の人の卒論をみると、色んな気付きを得られるのが面白い。去年も先輩の卒論発表を聞いてて、「あーいろんな見方があるんだな」みたいなのがあったし。
N:私、去年1年間卒論何書こうと思ってメモしてたんだけど、
全員:おおお、すごい!
N:メモをなくしたの。
全員:笑
K:なくしたの?(笑)
N:だから、今から探すの頑張る。
Y:両方探すね、テーマも探すし、メモも探す。
―ここまで一年間の活動をお話ししていただきました。その中で、牛島利明先生はどんな方でしたか?
N:なんだろう、いい意味で本当に放任。別に本当にほったらかしなわけじゃなくて、支えてくれてる?
K:そっと見守ってくれている。
N:私がこのゼミに入ったのは先生に「学生のうちにいっぱい挑戦して、いっぱい失敗すればいい」ってゼミ説で言われたからで、
K:先生に?
N:そう、「先生が責任をとってくれるから」みたいに言われて(笑)、素敵だなぁと思って。ほんとにそんな感じだし。まじでプロジェクトやってても思う。
R:本当に教育者だよね。考える余地を与えてくれるのが本当に良い。
Y:いい塩梅で投げてくれる。
R:何か与えられてこれをやりなさい、これが正しいんだよ、ってことは絶対ない。自分で考えるっていうことをちゃんと見守ってくれるって言うのが先生なのかな。
N:「君はどう思うの?」みたいな。
Y:2人で談笑してるときとかにも、「Yはどう思うの?」ってポンって聞かれたりする。後はなんだろう、LINEとかもそうだけどなんか若いよね。物腰が柔らかいというか。
K:そこは全然年齢を感じない。今の僕の年齢では全然やりません、みたいなのも全然ない。先生自身が何でも挑戦している姿を見せてくれる。
Y:さっきも言ってたけど「これが正しいです」みたいな感じじゃなくて、先生自身も何か違うなと思ったら、俺たちの意見をバンバン取り入れてくれるし。そこは先生も疑問をぶつけて議論してくれる。
R:たまに困ったこと聞いてくるけどね。前聞かれてびっくりしたのは、「なんか今授業どうしようか困ってるんですけどRくんいい案ありますか?」って言われて(笑)
K:雑かよ(笑)
R:「それは教授が決めることでしょ?自由過ぎません?」みたいな(笑)
―最後に、ここまでの活動振り返って一言いただけますか?
R:難しいテーマが来ましたね。
Y:難しいね。
K:なんか私は、
Y:えっ簡単なの?
K:うん、簡単。
全員:笑
K:2年生の時は「牛島ゼミ憧れ!」みたいな感じで、ここに入ったら何でもできるみたいに思ってたけど、「自分で動かないと何にもできないんだな」っていうのがこの1年で学んだこと。だから主体的に動くこともそうだし、自分の頭も足使って考えたり動いたりしないと何も始まらないんだなって言うのが1年間通して感じた。
Y:そうだね。
Y:俺も結構似てて、「わかるからやる」じゃなくて、「やったからこそわかる」って言うのがこの1年で1番学んだことで。これってすごい単純そうで、でもこれを実感しないことにはそれすらも分からないから。すごい気付きのあった1年だなっていうのは感じます。
N:私はなんだろう。でも社会人になって「大学生活に何があったかな?」って思い浮かべた時に1番最初に思い浮かぶものだと思ってて。それ位ほんとに大変だったけど、本当に楽しくて。なんだろう…出来ることは増えたし、私自身も興味関心が多い分、色々なことに手を出したかったけど出せないことも多くて。でもこの牛島ゼミって言うフィールドを与えられて「やりたいことに全部挑戦できてるな」っていうのは今のところ思った。できることが増えたし、やりたいことも増えたっていう感じ。
R:自分もそれはすごくあって。自分の興味関心がどこにあるかわからなかったからいろいろやってみたいなーと思ってゼミに入ってみた。でもまぁやってみると全然イメージと違って、「あ、こうなんだ」と思うこともあったりして。でもなんだかんだ全部楽しくて、結局なんでもいいんだなって思った(笑)逆に迷走しちゃった感もある。
全員:笑
N:一番何でもやってるよね。
Y:本当にいろんなことやってない?すごいよね。
R:結局、何が好きかっていうのも大事かもしれないけど、自分の与えられたフィールドの中で、問いの立て方を変えるというか、「どうそれを見るか」で自分が楽しめるかどうかも決まるし、得るものもすごい変わるのかなっていうのを学んだ1年だったかな。
N:環境だけじゃないよね。「自分が何をしたいか」っていうのが大事だからね。
Y:大学も一緒だよね。慶應に入ったから、なんかできるじゃなくて。慶應に入って何しているかって全然違うし。それはたぶんどこでもいっしょかなって思う。多分俺たちが就職してもね、同じ。
ーたくさんお話いただきありがとうございました。
全員:ありがとうございました!