16期テーマブログ⑥【プロジェクト編その3】~「これの何が問題なのか」を考える場~

みなさん、こんにちは。4年(16期)のくまです。僕はunispo(ユニスポ)という今年度新たにスタートしたプロジェクトに所属しています。今回のブログでは、unispoについて、そして1年間(昨年までのEntertainment City For All(ECFA)プロジェクトを含めると2年間)で僕が得ることが出来たのでないかという経験や力について書きたいと思っています。

さて、その前にunispoとはそもそも何か。ズバリ「障がいの有無にかかわらないスポーツを目指す」プロジェクトです。uni(みんなで、誰もが)spo(スポーツ(を楽しむ))からとりました。

「22年間ただ純粋に僕が楽しんできて楽しませてくれたスポーツを、純粋に楽しめない人がいるのであれば、変えたい」という思い、これが漠然とした個人的な目標です。これに尽きます。

さあ、はじめにこんなことを言うのもあれですが、僕は1度プロジェクトを辞めています。今年の初め、プロジェクトの体制が「すべての人が楽しめるまちづくり」をテーマにしたECFAから、スポーツに特化したunispoへ移行する際のことです。

様々理由はあるのですが、大きな部分を占めていたのが、そもそも何が問題なのか、その問題は僕ら学生に解決できるのことなのか、何のために活動しているのか、協力してくれる多くの人の時間を割く意味があるのか、活動の目的は何なのか、ということをまったく理解できていなかったからです。

タイトル通り「これの何が問題なのか」状態でした。

しかし、今年の3月に復帰しました。すぐでしたね。これにも様々な理由があり、ゼミ代表の2人には多大なご迷惑をおかけしました。
結局、ゼミには僕が受かった代わりに落ちた人もいるから何かしなくてはいけないという義務感や、将来に向けて社会の中で自分が関わっていたいという思いがありました。まあ、このことに関するご質問は入ゼミイベントなどで聞いてください。熱く語ります笑

本題に戻ります。

紆余曲折あったプロジェクトの2年間の中でも、最も達成感を感じた瞬間があります。それは、目的を明確に行動できたときです。何を言っているのかこいつと思われるかもしれませんが、この言葉しか出てこなかったんです。

我々unispoは恥ずかしながら、この1年間で目に見える成果を残すことができたとは言えません。これは反省です。しかし、進展もありました。

まず、unispoではスポーツというテーマの中でも、障がいの有無にかかわらないスポーツ観戦の在り方を考えていました。しかし、何を変えたらいいのか、施設の整備などのハードなのか、スポーツ観戦に対するソフト面であるのか。いや、そもそも何かを変える必要あるのか。また去年と同じことの繰り返しか。どうせ同じなら、ソフト面などに注目して動いてみよう。

そこで現場を見に行きました。ここでも「これの何が問題なのか」状態でしたが、一緒に競技場に行っていただいた視覚障がい者や車いすユーザーの方を質問攻めにしました。質問の仕方も、相手の本心を引き出すよう工夫しました。これが以前と変わったことかなとも思います。

結果、競技場にはある程度の設備が整ってはいるが、競技場側がその設備をうまく活用できていない場合や、障がい者の方が観戦に行きたいと思えていないとの仮説に至りました。

この仮説に至った瞬間も、実際に障がい者の方々と会うことや、競技場へ行かなければわからないことばかりで、かつ新たな発見でした。

以前のブログでしおりさまが「問題提起→仮説→検証→結論」のプロセスの話をしていましたが、まさにこのことだと実感です。(https://gyuzemi.jp/archives/6482

もちろん、実社会でこのプロセスを踏むことはディベートや三田論より難しいんです。関わってくださる方々をどのように認識しているのか、利害関係、契約など社会と対峙する必要があります。

しかし、このプロセスを踏む鍛錬ができること、そして実社会で経験できる土壌があること、これも牛島利明研究会の面白さであると強く感じます。

そして、障がい者の方が観戦に行こうと思えない現状があるという仮説設定をした後に、僕らが行おうと考えていることが、競技場それぞれの行き方やチケットの取り方、競技場の情報を網羅した情報源を作りたいということです。これが今現在の今後の方針、明確な目的を持った行動です。

途方もない作業になりそうですが、ぜひ完成させたいと思っています。そして、いずれ、この情報を使っていただき、観戦により行きやすくなるような仕組みも作りたいと考えています。目標としては「競技場 行き方」でネット検索すればunispoの名前が出てくることです笑。

今はまだ検証の始まりですが、何度も考えてたどり着いたのがこのスタートラインです。ここからやっと始まるかとワクワクしています。

ここに至るまでの時間が無駄だったかと言えば、決してそんなことはなかったと思います。何が問題で、解決する意味があるのか、そんなことを考えることに意味があり(こんな考えを持って去年から活動すればもう少し変わったかなと後悔もありますが)、このような考え方をしている自分がいることは2年生の時には想像できませんでした。

最後にこのブログで皆さんに伝えたかったことは、2つです。「1年間試行錯誤し、やっと仮説までたどり着いたということ」「牛島利明研究会には実社会で行動を起こせる土壌があること」の2つです。

僕自身前述したように、去年ECFAで、今年1年unispoで活動してきた中で、どうすればいいのか、何が問題なのか、わからなくなることも多かったです。しかし、ソーシャルプロジェクトの良さ、ひいてはゼミの良さは1人でやることではないということだと思っています。unispoには僕の他にも4人のメンバーがいます。その4人はそれぞれ歩んできた経歴は違っても、その違いがあるからこそ僕にはない視点を出し合って、ここまで活動できました。

加えて、この1年間unispoに関わっていただいたゼミ外の方々にも、たくさんご意見やご指導を頂き、unispoを支えていただきました。この場を借りて、御礼申し上げます。また来年からも引き続きよろしくお願いいたします。

2020年には東京オリパラが開催されます。それに向け、日本が世界に誇れる誰もが楽しめるスポーツの在り方というレガシーを築くことが出来ればいいなと個人的に思います。

ぜひ、来年からunispoでスポーツを盛り上げましょう!!!