FDPの活動日誌_Vol.8 三浦学苑高校でのワークショップ

こんにちは!Future Design Project(FDP)のあゆみです。

ここ【FDPの活動日誌】では、FDPが行った教育現場への訪問(フィールドワーク)やワークショップをはじめとする活動報告を発信しています!

6月15日(土)に一般社団法人ウィルドア主催の高校生向けワークショップに4年生(18期)FDPのあゆみとありさが運営スタッフとして参加してきました!今回は横須賀市にある三浦学苑高校特進コースの1,2年生とワークショップに取り組みました。ウィルドアの竹田さん・武口さんをはじめ、11名の大学生や若手社会人がグループファシリテーターとして企画に参加しました。

ワークショップ プログラム

1.全体導入
2.班ごとのアイスブレイク 「人生大喜利ゲーム」
3.ワーク(1)「自分らしさ」とは?
4.ワーク(2)「あなたにとって“かっこいい人”“すごい人”」とは
5.ワールドカフェ「あなたにとって○○とは」 2セクション
6.ワーク(3)「在りたい10の自分」
7.ワーク(4)「自分についての気づきの共有」
8.ワーク(5)「未来の自分への“手紙”を書く」
9.クロージング

今回のワークショップのコンセプトは「楽しく自分の「在りたい姿」を妄想してみよう」でした。高校生は3時間にわたるワークショップで、自己開示からスタートし、最後に将来の自分に手紙を書くまで、「自分はどう思うのか」についてとことん考えます。

私たちグループファシリテーターは、生徒が、互いの価値観の違いや、自分自身の変化を認識しながら、将来の像について深掘りし、より前向きに高校生活と向き合えるようなきっかけを提供することに努めました。

高校生向けワークショップ初参加で得た3つの学び 
~参加者が「!?」を共有するヒント~

今回、私はFDPに入ってはじめての高校生向けワークショップでした!緊張や不安もありましたが、それ以上に、ワークショップの事前企画会議や当日のワークからたくさんの刺激がありました。企画内での意見の発散・収束への工夫や対話の姿勢など、私にとって新しいことばかりだったので、とても新鮮に感じました。中でも印象的だったことが以下の3つです。

①マニュアルのないファシリテーション
事前準備の企画会議で、ウィルドアの竹田さんから私たちに伝えられたことは、「マニュアルはありません。自分で考えながらグループを回してください。」という指示のみでした。これには結構驚きました!(笑)

なぜマニュアルがないのか?とお聞きしたところ、ウィルドアの武口さんに「マニュアルがあれば最低クオリティは担保できるかもしれないけど、もしかしたら生まれた可能性があるもっといい結果も同時に生まれにくくなってしまうから。」と教えて頂きました。

私は、ファシリテーションの役割はある程度スムーズに進行することというイメージを持っていました。しかし、実際にマニュアルなしのファシリテーションをやってみて、ワークショップで大切なことは、議論の方向性が企画趣旨から逸れないことよりも、その場限りで生まれる話題を引き出し続け、参加者間で何かしらの痕を残し合うことなのかなと感じました。

②参加者が共有する3つのルール
1つ目に「マニュアルなし」を挙げましたが、このワークショップでは参加者全員に共通のルールが設けられていました。それは、

(ⅰ)「私」を主語にする
(ⅱ)違いを認める
(ⅲ)守秘義務 の3つです

人前での話の切り口は、つい「世間は~」「高校生は~」「友達は~」と主語を自分ではない主体に置き換えてしまいます。でも、自分について考えるワークを実現するためには、主役は自分自身であることを強く自覚することが大切です。そのようなムードを参加者間で創り上げるためにも、他者と価値観が異なることを許容し、今回のワークで話すことは今回限りの秘密とされていました。

このように、日々学校生活で関わりの密度が高いからこそ、非日常的なワークならではのルールや枠組みがあることで、ワークそのものに集中することができるのかなと感じました。

③ワークショップ後の公開反省会
ワーク後に、ウィルドアの竹田さん・武口さん、運営メンバーに参加していた大学生と若手社会人で公開反省会を行いました。この反省会は、運営メンバーに限らず高校生も聴講・参加・質問すべてOKで、ワークを創る側の視点を参加者・運営者双方が共有できるのです。

ついワークショップが終わったらホッとして肩の力を抜きたくなってしまいますが、ワーク直後の記憶が新しいうちに改善点を洗い出すことで、良かったところもまだまだな点も、冷静に、豊富に考えることができた気がします。また、オープンに意見を求める・開示する雰囲気づくりはワーク以外のところでも体現されているのだと学びました。

【所感】予定不調和のスリルが生む当事者意識
マニュアルなし、という設定は、正直不安でした。しかし、ワークを通じて、事前に武口さんが「予定調和ではないこと」の重要性について実感した場面があります。

ワークショップでの、ワールドカフェ(このワークでは基本的に意見を言い合いながら紙に意見を残していく)で、「友達」というテーマについて5人班でフリーディスカッションをする際、個人的な解釈が広いテーマ故に、自己開示しにくい・言語化が難しい・多面的な切り口の限度…等を感じていました。そこで、班で意見を伝え合う前に、一人ひとり、人との関係性の濃さを5つの階層に分けて紙に書くことを試みてみました。

ディスカッションというと、話すことに注目してしまいがちですが、一度自分の中で整理してから伝え合うことで、共通の価値観を抱いているように見えても、原体験やそこから得た感じ方は人それぞれであることを改めて実感できた気がします。ディスカッションという指定をきっちり守っていたら、黙々と紙に意見を書いている光景はマニュアル違反になってしまいますが、マニュアルなしだからこそ、その場にいる自分のアイディアへの意義や、リアルタイムならではの当事者意識が生まれるのかなと思いました。

そして、エネルギッシュな高校生、個性的で自分なりのスタイルを大切にする運営メンバーの方々に刺激とパワーをたくさんもらったワークショップになりました!

8月18日(日)には、三浦学苑の1年生が企画している「よこすか・ゆみ・みらい」というイベントが開催されるそうです。(生徒主導でこのホームページも作っているそうです…!)ご興味のある方は、ぜひ足を運んでみてください!